東洋医学の原点『黄帝内経』にみる温病学〔東洋医学へのいざない②〕
2020.4.28
東洋医学の原点『黄帝内経』にみる温病学〔東洋医学へのいざない②〕
温病の病名について,
『素問・六元生起大論』:「気乃大温,草乃早榮,民乃厲,温病乃作」.
温病の病因について,
『素問・生気通天論』:「冬傷於寒,春必病温」.
→伏邪温病の最も早期の理論.
温病の証候所見について,
『素問・評熱病論』:「有病温者,汗出輒復熱,而脈躁急,不為汗衰,狂言不能食」.
『霊枢・論疾診尺』:「尺膚熱甚,脈盛躁者,病温也」.
→温病の温熱の特徴.
温病の治療について,
『素問・至真要大論』:「熱者寒之」,「温者清之」.
→温病治療の基本原則.
温病の予後について,
『素問・玉版論要』:「病温虚甚死」.
疫病を予防する鍵 ⇒ 「正気存内」,「避其毒気」.
正気存内:人体の正気を増強し,外邪の侵襲を抵抗する.
避其毒気:毒気の侵襲を防止する.
当時の知識では,温病は傷寒の範疇に帰属していた.
『素問・熱論』:「今夫熱病者,皆傷寒之類也」.
『難経』では,温病は広義的に傷寒之一に帰属する.
『難経・五十八難』:「傷寒有五.有中風,有傷寒,有湿温,有熱病,有温病」.
古典文献の理解を深めてください.
〔文責:奈良上眞〕