言語聴覚士とは
どんな仕事?

「話す」「聴く」「食べる」の リハビリを通して
豊かな生活を支える医療系国家資格です。

言語聴覚士とは、病気や事故、発達上の問題などで話す・聴く・食べるに関する機能が損なわれた方にリハビリテーションを行う専門職です。
対象となる患者様は子どもから大人まで幅広く、抱える問題は人それぞれです。言語聴覚士は、問題の本質や発言メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、助言、援助を行います。同じリハビリテーション専門職である理学療法士の有資格者が約19万人、作業療法士の有資格者が約10万人という中、言語聴覚士の有資格者は全国で約3万人と圧倒的に数が少ない一方、医療・福祉・教育分野からのニーズは高く、今後ますます重要性が増していくことが予測されます。

Disability Involved
 
  • ことばの障がい

    • 考えていることが言葉にできない
    • ことばが詰まる
    • 喉頭癌で声帯を失い声が出せない
  • 聴覚の障がい

    • 聴力の低下により聞き取りが難しい
  • 高次脳機能障がい

    • 脳の損傷によって、言語、思考、記憶、行動、学習、注意などに問題がある
  • 嚥下障がい

    • 加齢や脳卒中の後遺症などで、食べ物を噛んだり、飲み込んだりすることができない
  • 発達障がい

    • ことばの発達が遅い
    • 対人関係をうまく築けない
    • 落ち着きがない
Active Field

子どもから高齢者まで幅広い年齢の方を対象にリハビリを行う言語聴覚士。
医療・福祉・教育の現場で幅広く活躍 しています。

 
 
 
 
 
 
 

出典 一般社団法人日本言語聴覚士協会

主なカリキュラム

医療機関

  • 大学病院
  • 総合病院
  • クリニック
  • リハビリテーション専門病院など

福祉施設

  • 肢体不自由児通園施設
  • 知的障がい児福祉施設
  • 児童相談所
  • 児童療育施設
  • 高齢者福祉施設
  • 訪問リハビリテーションセンターなど

企業・教育機関

  • ことばの教室/教育センター
  • 医療機器メーカー
  • コミュニケーション機器メーカー など
Flow of the Day

シフト制や土日休み等、勤務先によって違いはありますが、
基本的には夜勤がなく、休みがとりやすい環境です。

毎日、決まった時間帯でリハビリを行うことが多いので、1日のスケジュールを立てやすく、
一人ひとりの患者様・利用者様とじっくり向き合うことができるのも言語聴覚士の魅力のひとつです。

病院勤務の例

1日の流れ

  • 08:30

    始業、リハビリテーション約8名対応

  • 12:00

    食事場面の評価と記録

  • 13:30

    休憩

  • 14:30

    リハビリテーション約4名対応

  • 16:00

    カルテ記載

  • 17:15

    終業

急性期リハビリを担う責任を胸に、日々尽力。
急性期病院で救急搬送されたばかりの方や術後まもない方に対し、リハビリを行っています。また多淫後の生活指導や回復期病院へのサマリー作成などの業務も担当。状態が急変する患者様も少なくない難しい時期だからこそリハビリの重要性が高く、日々言語聴覚士の果たす役割の大きさを感じています。前日より少しでも元気な姿が見れると嬉しくやりがいを感じます。

療育施設の例

1日の流れ

  • 08:30

    出勤、前日の記録や当日の準備、朝礼

  • 09:00

    リハビリテーション約4名対応

  • 12:00

    食事介助

  • 12:50

    休憩

  • 13:30

    リハビリテーション約5名対応

  • 17:00

    当日の記録

子どもの変化を見られることが、嬉しいです。
発達の遅れなど障がいを持つ子どもを対象とした通所支援施設で、コミュニケーションに困難さを抱えている子どもの訓練、食事指導を通じた口腔機能チェックをしています。子どもはもちろん保護者様との信頼関係を築くことの大切さを痛感。会話の際、学生時代に取ったサービス接遇検定が役立っています。子どもたちの変化や成長、できることが増えていく様子が嬉しいです。

How to Become

一般的に、言語聴覚士になるには、指定の養成校卒業後、言語聴覚士国家試験に合格する必要があります。
養成校は最終学歴に応じて3つのルートから選ぶことができます。

この内、大阪医療技術学園専門学校では
2つの課程で言語聴覚士を養成しています。

National Examanation

言語聴覚士の国家試験は年に1回施行されます。

開催時期 毎年2月
開催場所 北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県
試験内容 基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学及び聴覚障害学
試験形態 筆記試験(5肢択一式)
試験問題数 200問(午前中100問、午後100問)
合格基準 120問以上

よくある質問

  • Q 言語聴覚士の国家試験の難易度は?  
    言語聴覚士の国家試験の合格率は65~75%程度です。
    養成校卒業時に受験する新卒者は80%を上回る年が多い一方、
    養成校卒業後に受験する既卒者は40%前後で推移しているため、
    在学中にしっかりと知識・技術を身につけ、新卒時に合格を目指すことが大切です。
  • Q 言語聴覚士の資格は通信教育で取得できる?  
    残念ながら、通信教育で言語聴覚士の国家資格は取得はできません。
    養成校に通学し、国家試験受験資格を得た上で、国家試験に合格する必要があります。
  • Q 言語聴覚士の収入は?  
    大阪医療技術学園専門学校に届く求人票によると、平均初任給は22万円です。
    地域や勤務体系によって異なりますが、中には平均を上回る初任給25~30万円の求人票もあります。
    年収は約400万円で、継続年数が経過したり、役職が上がることで 500 万円以上を目指すことも可能です。
  • Q 言語聴覚士の需要や将来性は?  
    同じリハビリテーション専門職の理学療法士は(19万人、作業療法士約10万人に比べると言語聴覚士は約3万人と有資格者の数は圧倒的に少なく、全国的に人手不足となっています。
    また、言語聴覚士は一人ひとりの患者様・利用者様の症状に合わせて、柔軟な対応を行う職業です。
    心に寄り添う姿勢も求められるため、AIが普及しても「なくならない仕事」の代表例のひとつと言えます。
  • Q 言語聴覚士は独立開業ができる?  
    基本的には、医師の指示の下でリハビリをすることが義務付けられていますが、一部の訓練は医師の指示がなくとも実施できるため独立開業は可能です。
    また、学習障がいのお子さんを対象とした学習塾の運営等、様々な形で言語聴覚士の活躍の場は広がっています。
 
 

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