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卒業研究

~出生順位と性別の視点から~

Differences in How Adults Experience Stress from the Perspective of Birth Order and Gender

医療心理科

加賀城あい 春名俊輔 福地まどか 宮地里帆 森本葉月

要約

1963年の依田を始めとして出生順位と性格についての研究が進められてきた。しかし、ストレスに関する研究はみられない。そこで本研究では出生順位とストレスに性別の視点を加えストレスの感じ方の差異について研究した。これにより出生順位と性別を支援アプローチの一部として取り入れることができるのではないかと提案する。その結果、出生順位において一人っ子、性別においては女性がストレスを感じやすいという結果が出た。精神保健福祉士としてインテーク、インターベンション、プリベンション時における一つの視点として出生順位と性別とストレスの関連における知識の応用が可能である。

目的

過去の研究において出生順位の違いによる性格が報告されている。(1994.武田)しかし、出生順位によるストレスの感じ方の違いは研究されていない。また、性別とストレスに関する研究において女性のほうが高い。しかし、これらは環境とストレスにおける研究によって副次的に出た結果である。よって本研究では出生順位と性別によるストレスの関連性を調査し、精神保健福祉士としてのアプローチを考察する。

方法

調査期間2014年10月


アンケート調査

対象者:大阪医療技術学園専門学校の昼間部学生440名(有効回答率98%)
内容:ストレスに関するアンケート(友人に気を遣う等、計20問)髙比良(1998)

分析

因子分析(最尤法・斜交回転・説明率0.4以上)、分散分析(ANOVA4)

結果

分析結果を家族、学業、好事場面、回避可能な対人場面、回避不可能な対人場面の5因子に分類。

  • 出生順位別ストレス平均 → 一人っ子、長子、中間子、末っ子の順にストレスが高い。
  • 出生順位と因子別 → 各因子で検証すると、出生順位による有意差は無く、示唆される程度と考えられた。(p<.10)
  • 男女別 → 男女では、女性のストレスが高い。(p<.05)因子ごとに検証すると、「学業」と「回避可能な対人場面」において有意差があった。
  • 出生順位と因子と男女別→男女と因子には有意差があった。(p<.05)しかし男女と出生順位には有意差がなかった。

考察

分析の結果により、出生順位においては一人っ子のストレスが高い。これについては、一人っ子はきょうだいがいないため、親からの愛情が集中し、負担や期待が大きい。また、きょうだい同士の関係を持てないため、競争や協力、妥協や忍耐といった社会的技能を身につけることが難しいと言われていることから社会に出たときに、比較的ストレスを受けやすいと考える。性別においては女性が高い。これについては、進化心理学の視点から、女性は6万年前から集団で行動することが多く、周囲の目を気にし、合わせなければならないという意識が高いため男性よりストレスを感じやすいのではないかと考えられる。残念ながら、出生順位について顕著な差が見られなかったがこれは、個人でみると大きな差があるが、集団でみるとその差が相殺され見えなくなってしまうためだと考えられる。今後の研究の際には、集団を一括りにせず、各きょうだい単位で検証するべきである。これらを踏まえ、精神保健福祉士としてインテーク、インターベンション、プリベンション時における一つの視点として出生順位と性別とストレスの関連における知識の応用が可能である。

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