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卒業研究

A Microbiological Assessment of Commercially Sold Mineral Water

臨床検査技師科

八嶋侑花 杉本愛鐘

要約

コンプロマイズド・ホストにおけるミネラルウォーター摂取の是非を検討した。日本国産15製品中2製品において1.3×104 cfu/mLの細菌が検出された.EU原産5製品中3製品において5.4×101 cfu/mLの細菌が検出された。フィジー原産の製品からは9.6×103 cfu/mLの細菌が検出された。一方、USA原産の4製品ではいずれも細菌の検出は認められなかった。検出菌は主にブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌であった。以上から、無菌病室に入室しているコンプロマイズド・ホストとなる患者のミネラルウォーター摂取には十分留意する必要があるものと考えられた。

目的

近年、ミネラルウォーターの普及は著しく、その需要は高い。しかし一部のミネラルウォーターは採水後、無処理のものが存在している。病院内には易感染宿主(コンプロマイズド・ホスト)の患者も多く、思いもかけない経路での感染発症が懸念される。今回、我々は一般に市販されているミネラルウォーターについて、微生物学的評価を行い若干の知見を得たので報告する。

方法

市販されているミネラルウォーター25製品(日本国産(15)、EU原産(5)、USA原産(4)、フィジー原産(1))を対象とした。被検試料10mlを遠心分離し、得られた沈渣0.5mlをヒツジ血液加寒天平板培地に均一になるよう接種した。48~72時間、35℃で培養し、発育した菌のコロニー数のカウント並びに菌の同定を行った。また、発育した菌量が多い場合は、試料を原液で塗布、もしくは滅菌水で10倍希釈し、再培養して発育したコロニー数を数えた。

結果

日本国産15製品中2製品において、1.3×104 cfu/mlと2.8×102 cfu/mlの細菌が検出された。EU原産5製品中3製品において、0.56×101~5.4×101 cfu/mlの細菌が検出された。フィジー原産の製品からは9.6×103 cfu/mlの細菌が検出された。USA原産の4製品ではいずれも細菌の検出はされなかった。検出菌は主にブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌であった。またすべての試料から真菌は検出されなかった。

考察

今回の検討において、日本国産15製品中細菌の検出が認められたのが2製品であり、必ずしも国産製品が安全とは限らないと思われる。日本の飲用水水質基準(農林水産省による「ミネラルウォーター類の製造基準」)によると、一般細菌の検出は100cfu/ml以下となっていることから、コンプロマイズド・ホストとなる患者のミネラルウォーター摂取には十分留意する必要があるものと考えられた。

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