大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

A Study on the Relationship between Sleeping Habits and Feelings of Self-efficacy among College Students

医療心理科

今岡成美 岩田佳子 梅木菜摘 田中泉 田中隆斗 寺田早織

要約

先行研究において、睡眠とうつ傾向の関連およびうつ傾向と自己効力感の関連が明らかになっている。本研究では睡眠と自己効力感の関連、睡眠に介入することで生じる変化を調査することを目的とする。対象者は大阪医療技術学園専門学校の学生とし、睡眠と自己効力感、抑うつ状態に関する調査を行う。一部の学生に睡眠への介入を行い自己効力感の変容を調査する。調査の結果、SESでは睡眠良好群(PSQI5点以下)では得点が高く睡眠不良群(PSQI6点以上)では得点が低い傾向がみられた。BDIでは有意差がみられ、睡眠良好群では得点が低く睡眠不良群では得点が高い結果になった。睡眠への介入ではPSQIの得点の減少およびSESの得点の増加が見られた。

目的

「大学生の睡眠と精神的健康の関連について(友田、泉:2015)」では、睡眠障害の疑いの強い人の精神的健康レベルは低く、不安と不眠、うつ傾向が強いことが示された。「自己効力感研究の現状と今後の可能性(池辺、三國:2014)」では、抑うつ状態は自己効力感が低く認知された状態に対応しているとして、うつ病および抑うつ性神経症である患者の特性的自己効力感得点は健常者と比べると有意に低い結果となった。本研究では睡眠と自己効力感の関連、睡眠への介入によって生じる自己効力感の変化を調査することを目的とした。

方法

大阪医療技術学園専門学校の学生805名を対象にピッツバーグ質問票(PSQI)、特性的自己効力感尺度(SES:以下本文では略称を用いる)、ベック抑うつ尺度(BDI:以下本文では略称を用いる)を実施する。調査期間は2015年10月5日から10月23日である。また、対象者のうちの35名に睡眠への介入を行い、SES得点の1週間での変化を調べる。

結果

PSQIのカットオフ値5.5点に基づき、睡眠良好群と睡眠不良群に分類した。SESでは睡眠良好群の得点が高く睡眠不良群の得点が低くなる傾向がみられた。BDIでは有意差がみられ、睡眠良好群の得点が低く睡眠不良群の得点が高くなった(P≦.01)。男性ではSESにおいて有意差はみられず、BDIでは睡眠良好群の得点が低く睡眠不良群の得点が高くなる傾向がみられた。女性はSES、BDI共に有意差がみられた(P≦.05)。睡眠介入群では、電車の遅延による被験者数の減少のため1回目と2回目の結果を検討した。PSQIの得点の減少、SESの得点の増加が見られたが、統計的な差は見られなかった。

考察

全体的に概ね過去の研究を支持する結果となった。睡眠介入群において統計的な差がなかったことについては、調査期間が短さ、自己効力感へのアプローチ不足が考えられる。改善案としてより長い期間睡眠への介入を行うことで睡眠習慣の改善による自己効力感の変容が望めると考える。「気分障害を伴う概日リズム睡眠障害に対してremelteonが著効した1例(吉原、吉澤、白田、松田、玉城、斉藤、阪本、藤村、田村、千葉:2014)」よると、約8ヶ月の期間で行うと改善が期待できる。また、2週目以降にフィードバックを行い、睡眠習慣が改善していることを被験者に伝えることで、自己効力感が高まると考える。
精神保健福祉士としての取り組みとして、患者さんに睡眠習慣の記録をとってもらうことを提案する。睡眠習慣の改善を目指してもらい、変化に合わせてフィードバックを行う。睡眠習慣と自己効力感の改善により社会活動や意欲の増加が考えられ、退院促進や地域移行につながるのではないだろうか。

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