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卒業研究

~5種類の漢方処方におけるセンノシドAの含量の変動について~

Preparation of Chinese Medicine Prescriptions and Changes in Ingredients 5 Types of Chinese Medicine Prescriptions that include Changes in Sennoside A Content

薬業科

井城和敦 印部早苗 佐々木優衣 杉野公美 月形真帆 土居亜由美 直江義基 古城早也佳 本田裕子 宮本温子 和田啓史

要約

漢方薬の煎じ方について、現在の厚生労働省が定める製法では全ての生薬類を同時に抽出することとされているが、傷寒論や金匱要略などの過去の製法では抽出する際に加える生薬の順番が細かく定められており、貝原益軒の『養生訓』(1792年)には『良薬も煎法ちがへば験なし。この故、薬を煎ずる法によく心を用ゆべし。』という旨の表記がある。よって、現在の製法に問題点があるとも疑われる。そこで傷寒論などの原典に収載されている処方の煎じ方と厚生労働省の煎じ方とを比較し煎液中の光や熱に影響されやすい、センノシドAの含量に変化があるのか調べ、実験を行い確認を行った。日本薬局方及び漢方に関する文献、インターネットを使用し調査した。

目的

漢方薬の煎じ方について、現在の厚生労働省が定める製法では全ての生薬類を同時に投入することとされているが、傷寒論や金匱要略などの古典での製法では抽出する際に加える生薬の順番が細かく定められており、『養生訓』には『良薬も煎法ちがへば験なし。この故、薬を煎ずる法によく心を用ゆべし。』という旨の表記がある。よって、現在の製法に生薬の順番が細かく定められていない問題点があるとも疑われる。そこで傷寒論などの原典に収載されている煎じ方と厚生労働省の煎じ方で薬効が変わるのか、成分に注目し比較した。また、大黄のセンノシドAに着目したのは、熱、光などによって成分が分解されるため成分の含有量の変化を比較しやすいと考えたためである。

方法

大黄を含む漢方処方の調胃承気湯(チョウイジョウキトウ)、大承気湯(ダイジョウキトウ)、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)、厚朴三物湯(コウボクサンモツトウ)を①厚生労働省の定める煎じ方②傷寒論、金匱要略の煎じ方の二通りの方法で煎じたエキスをTLCによるパターン分析、HPLCによるセンノシドAの定量を行い、比較した。各実験方法については日本薬局方の各論の方法を利用した。

結果

高速液体クロマトグラフィーで行った結果より、漢方処方の1日分の服用量のセンノシドA含量を算出し比較した結果次のようになった。桃核承気湯、調胃承気湯、茵蔯蒿湯ではあまり差は見られなかった。しかし、大承気湯、厚朴三物湯では、現代の煎じ方で煎じた方がセンノシドAの含有量が多かった。

考察

古典の方法と現代の方法を比較すると大承気湯、厚朴三物湯で現代の方法の煎じ方のほうがセンノシドの含有量が多く、残りの3種類は違いが認められなかった。全量を同時投入する煎じ方の現代の方法の方がセンノシドAの含有量が多いため現在のドラッグストアで販売されている漢方薬が現在の形になったと考えられる。

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