大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

How to Improve Understanding Related to Organ Transplants

医療秘書・情報学科

大塚明梨 久藤花音 鍋谷紗依 前田秋果 村井万実 吉村麻奈未

要約

現在、日本は海外に比べ移植件数が少ない傾向にあり、例えば米国では、年間約7,000~8,000人の臓器が提供され、毎年20,000件を超える臓器移植が行われている。しかし、日本では臓器移植を待っている人が約13,000人いるにも関わらず、年間で実際に移植を受けられる人は約200人しかいない。2010年7月17日臓器移植法が改定され、15歳以下の子どももドナーの対象となったが、「子どもの体を傷つけたくない」、「生きているかもしれないのに体を傷つけ命を絶つのはしたくない」等の意見があり、提供者数がなかなか増えず、移植に対しての理解が少ない現状にある。そこで、私たちは臓器移植について人々はどのくらい理解し、現状を通じてどのような心境の変化があるのか調査した。

目的

日本の現状として、臓器移植に関心はあるが、意思表示者が少ないと予測できるため、臓器移植に関しての知識の理解度と意思表示者の割合を調査する。アンケートを行い、臓器移植に関する各種知識の理解度、臓器移植の情報閲覧前後の意識の変化、意思表示者の割合を集計、考察する。同じ学生に臓器移植は身近にある問題として捉えてもらい、かつ、現時点での理解度の向上手段について考え、少しでも多くの方に意思表示をしていただくことを目的とする。

方法

①インターネット調査、著書や論文などによる文献調査

②アンケート調査:対象者8学科の学生613名


調査1

  • 臓器移植に対して賛成・反対の2択回答(理由記述あり)
  • 臓器移植に対する知識回答(全14問、「知っている・知らない」2択回答、問14複数回答)
  • 一般的な臓器移植の意見閲覧後、再度、賛成・反対の2択回答(理由記述あり)

調査2

臓器移植意思表示の重要性に関するアンケート

  • 意思表示者の割合及び臓器移植の意思表示をすることの重要性を問うもの。
  • 意思表示の重要性に触れる以前と以後での臓器提供に対する認識の変化。

これらについて、調査・考察を行う。

結果

今回の研究の結果として、調査1からは臓器移植自体に8割が賛成しているが、理解度が4割と低いことが読み取れた。しかし多くの人が賛成であるのに、意思表示をする者が少ないことに疑問を感じ、調査2を実施した。調査2は意思表示をすることの重要性を認識してもらうものである。この調査を行った結果、意思表示の重要性を示せば半数以上が今後、意思表示をするという結果となった。アプローチ次第で意思表示者を増やすことが可能であることが判明した。

考察

日本の脳死判定基準は現在、世界一厳しいものと言われている。しかし、そればかりが臓器移植が推進されない理由ではなく、臓器移植に関する意思表示をしている者が圧倒的に少ない現状がある。今回の研究で多くの者が臓器移植の理解度が低く、意思表示の重要性を十分把握していないことが分かった。しかしこれらのことを改善できれば意思表示の推進が可能であることを今回の調査で実感することができた。保険証には臓器移植の意思表示欄があり、医療事務員は医療機関において保険証を取り扱う責任者となる。意思表示をしていない患者さんに臓器移植のYES.NOに関わらず中立的立場として理解度を深める情報提供が可能な立場であり、今後の展望として、そうした活動を推進していきたいと考える。

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