大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

~ヒューマンエラーの防止~

Discussion Regarding Medical Accidents -Prevention of Human Error-

医療秘書・情報学科

大川桃香 荻野未来  末谷晴香  辻麻里花 半田将也 東野古奈美 山下小波 山下真美

要約

近年、医療現場では医療事故の原因となっている「ヒューマンエラー」が増加している。平成11年には大学病院による患者間違いによる手術が実施された。医療事故を軽減すべく、平成13年には厚生労働省は医療安全推進室を設置。しかしその後も患者間違い等による医療事故は続いている。また、平成27年には医療事故調査制度が新設された。組織的な医療安全対策を実施すべく、医療事務現場を再現し模擬実験を行った。その結果、確認不足や伝達ミスによるインシデントが発生。どうすれば伝達ミスが減るのかに着目し根本原因分析を行った。これにより危機管理意識が高まり、医療事故防止の訓練・手順を理解するなど一定の効果を得ることができた。

目的

近年、医療現場では医療事故に対する意識が高まり、事故報告が積極的に行われている。また、医療事故には「ヒューマンエラー」が多く占めている。医療従事者は、それぞれの行為のリスクと自己の行動特性を認識するとともに、患者の疾患や症状に応じたリスクも常に予測し、患者の安全確保に努めるべきである。医療秘書教育においても座学だけではなく実践を通じて、医療安全への意識を高める必要がある。今回の検証を通じてインシデント分析の精度を向上させることを目的とする。

方法

医療事務現場における模擬実験を学内の医事課実習室にて実施。対象は本校、医療秘書・情報学科にて医療現場実習を修了した2年生とする。2人ペアとなり、3グループ作成。それぞれに診察券・カルテの確認などの医事課で行われる日常業務を指示することとした。そして、指示通りに行動できるかを正解数によって点数化を行う。間違いを起こしたものについては、根本原因分析を実施。その検証結果をもとに考察を行うものとする。

結果

模擬実験では複数の間違いが見受けられた。間違った内容をもとに当事者による根本原因分析を行った。分析は<①インシデントの把握⇒②手順の再確認。(いつ、どこで、誰が、誰に、何をしたか)⇒③出来事を時系列に並べ書き出しをする。>の順に行い、分析を実施した。その結果間違いの主な原因が複数見受けられたが、分析の考察の浅さなど、第三者からの気付きもあり、第三者分析を交えた模擬実験を再度別のグループに対して実施することとした。
この結果では第三者の視点もあり、被験者同士のコミュニケーションの改善など、新たな改良点を得ることができた。根本原因分析は実施を重ねるごとに分析の要点を得やすくなるということが判明した。このことから、多くの職種がインシデント分析を実施する必要があると考える。

考察

医療事故に至らなかったインシデントの分析を本人だけでなく、第三者も介入して実施することで伝達ミスや、認知ミスを軽減することができた。また、今回は数回の実施のみであったが原因分析を行う度に、新たな発見や気付きがあった。実施の度に分析精度が徐々に上がるのではないかと思われる。実際の医療機関では各部署のリーダーが集まり、インシデントカンファレンスを実施しているが、なるべく多くの職員の分析能力が上がるよう、事故分析は当番制などで実施するのがよいのではないかと考える。これらのことを踏まえて、組織ごとに分析実施手順をマニュアル化することが必要だと感じた。各医療機関においても、医療事故に繋がらなかったヒヤリ・ハットは個人への指導だけで終わるのではなく、医療安全委員会などにおいて組織として改善するための仕組み作りが今回の検証を通じて重要であると感じた。

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