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卒業研究

Factor Analysis of Pass Rates in Acupuncturist and Moxibustion National Exams

東洋医療技術教員養成学科

山本岳

要約

はり師・きゅう師国家試験の文字数・問題形式数・専門用語数をカウントし合格率との相関関係の解析を行った。問題文・選択肢の文字数共に合格率に対し負の相関が見られた。問題形式は全部で4分類することができ、正しい組み合わせを一つ選択する形式のみ相関(0.62)が見られた。専門用語数は専門基礎科目では正の相関(0.44,0.04)が見られたのに対し、専門科目では負の相関(-0.24,-0.66)が見られ、科目によって逆の相関が見られた。

目的

現在、はり師・きゅう師国家試験の合格率が年々低下してきている。原因として難易度が高く設定されてきている。問題文が長くなり複雑になってきていると言われているが、国家試験問題のみを対象とした研究は報告されていない。そこで本研究では国家試験問題を用い、現状の教育課題を考察することを目的とし、合格率に影響を与えている要因を検証した。

方法

対象は、はり師・きゅう師国家試験過去8年分とし、問題文と選択肢に分け、試験の文字数・問題形式(全4分類)・東洋療法学校協会教科書(全13冊)の索引に表記されている専門用語の数などをカウントし、合格率との偏相関分析を行った。また、はり師・きゅう師国家試験の特徴を明らかにするために看護師国家試験と言語聴覚士国家試験の過去8年分の文字数と問題形式(それぞれ6分類・14分類)について同様の分析を行った。

結果

合格率に影響を与えるであろう要因の分析を行った。問題形式のタイプでは看護師国家試験と言語聴覚士国家試験はそれぞれ4タイプで合格率と正・負の相関が見られたのに対し、はり師・きゅう師国家試験では正しい組み合わせを選択する問題形式のみで正の相関(0.62)がみられ、他の問題形式では相関が見られなかった。試験の文字数では看護師国家試験では選択肢、言語聴覚士国家試験では問題文の文字数が強い正の相関が見られたのに対し、はり師・きゅう師国家試験では問題文・選択肢共に負の相関(-0.39,-0.54)が見られた。はり師・きゅう師国家試験の専門用語数では専門基礎科目の問題文では正の相関(0.44)、専門科目の選択肢では負の相関(-0.66)が見られた。これらの結果より、はり師・きゅう師国家試験では、問題文と選択肢の文字数が多いほど合格率が低くなり、また、専門分野での単語数が増えるほど合格率が低くなることが明らかとなった。

考察

はり師・きゅう師国家試験合格率は文字数と負の相関があり、文字数が多くなるほど受験生にとって問題が難しくなっている可能性が考えられた。8年前の試験と比べ、問題文は約350文字、選択肢では約830文字増えており、今後も同等かそれ以上の文字数の試験が行われることが示唆される。しかし、専門用語数では正の相関が見られる科目もあり情報が多いと問題が解きやすくなる科目があることが示唆された。しかし、はり師・きゅう師の専門科目では文字数・専門用語数・索引外の用語で出題された問題数の全てで負の相関を示しており、受験生が苦手としている科目である可能性が考えられる。これらのことから〇〇といえば××といった1対1の関係の問題から一度思考し、その知識を活用させる問題に移行していることが考えられ、こうした問題への対処を身につけさせる教育がこれまで以上に求められるのではないだろうか。

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