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卒業研究

Comparison of Effectiveness of Acupuncture and Esthetic Treatment in Swelling of the Lower Thigh

鍼灸美容学科

中川知奈美 松下優花子 松本日奈子

要約

女性の悩みは多岐にわたるが、そのひとつとして、下腿のむくみがある。そこで、鍼とエステによるむくみに対する効果を検討した。また、鍼とエステを併用した場合の効果も検討し、3つの方法を比較した。方法は、本校学生6名を対象に、鍼群・エステ群・併用群の刺激をクロスオーバー法にてそれぞれ行い、下腿周径の変化を比較した。結果、刺激方法により多少の差はあるものの、鍼群・エステ群・併用群全てで下腿周径が減少し、鍼とエステの差はみられず、また併用による効果の変動もみられなかった。下腿周径が減少した理由として鍼は経穴の性質により、エステは求心性施術により効果がみられたと考えられる。

目的

女性の美容や健康に関する悩みは多岐にわたるが、米山ら(2007)の研究によると、健康な大学生で足のトラブルを訴える女性は85%おり、特にむくみを訴える女性は49.2%と多い。また、須藤ら(2010)の研究によると化粧品販売職の90%がむくみを感じており、女性の多くがむくみを感じている。そこで、私たちが今後実際に行っていく、鍼とエステの施術を行い、むくみに対する効果を検討した。また、鍼とエステの両方を併用した場合の効果も検討し、鍼のみ、エステのみ、鍼とエステの併用の3通りを比較し、最も効果の高い施術を比較した。

方法

被験者は、事前に同意を得た大阪医療技術学園専門学校学生20代の女性5名と男性1名を対象とした。刺激は、鍼のみを行う鍼群、エステのみを行うエステ群、鍼とエステの両方を行う併用群に分け、クロスオーバー法にて実施した。刺激順はランダムとし、1週間の間隔を空け行った。刺激部位・方法は鍼群が伏臥位で委中・合陽・承山に40mm18号鍼を使用し、1cm刺入後に10分間置鍼した。エステ群は、水溶性マッサージオイル2プッシュに対しレモンエッセンシャルオイルを2滴配合したものを使用し、片足に5分間ずつ合計10分間、求心的施術を手掌によって行った。併用群は鍼群とエステ群の刺激を鍼⇒エステの順で行った。比較方法は下腿周径を用い、刺激前にマークした下腿最大膨隆部を、刺激前、刺激直後、10分間安静後に、メジャーで座位にて計測した。

結果

鍼群では、3名に両足-0.5~1.0cmの下腿周径の減少がみられた。2名は片足のみ-0.5cm~-0.7cmの減少がみられた。エステ群では、4名に両足-0.5~1.0cmの減少がみられた。1名は片足のみ-0.6cmの減少がみられた。併用群では、2名に両足-0.5cm~-0.7cmの減少がみられた。3名は片足-0.5cm~-0.6cmの減少がみられた。
これらの結果より、どの群でも下腿周径の減少がみられたものの、鍼とエステの効果の差はみられず、また併用による効果の変動もみられなかった。

考察

鍼とエステそれぞれで効果がみられた理由として、鍼はそれぞれの経穴の効果が現れたと考えられる。委中はリンパ節に近くリンパ液の循環を良くし、合陽は下腿部、足首周りの水分代謝を良くし、承山は下腿三頭筋の筋循環を良くしたと考えられる。エステは求心性施術によりリンパの流れを促進し、また筋ポンプの働きを活性化させて下腿の浮腫が改善されたと考えられる。鍼とエステの併用で効果が向上しなかったのは鍼刺激後の時点で下腿周径が既に減少しており、エステの効果が現れなかったのではないかと考える。

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