卒業研究

A Study on Educational Methods based on Learning Motivation

東洋医療技術教員養成学科

久保雅恵 藤原法香 三根裕子

要約

鍼灸専門学校には多様な学生が在籍する。画一的な教育方法では理解度にばらつきが見られる事がある。アンケート調査を通して鍼灸専門学校生の「学習動機」、「学習方法」、「学習意欲」、「学習成績」の特性や傾向を明らかにし、その特性に応じた教育方法の検討を提示する事を目的とする。本校と8校の鍼灸専門学校の1年~3年の学生941名に対しアンケート調査を実施した。アンケートの内容は①学習動機30項目②学習方法21項目③学習意欲と成績16項目とした。結果は25歳未満の学生と25歳以上の学生の学習動機に差があった。25歳未満の学生の学習動機には、外発的動機づけが有効であり、25歳以上の学生には内発的動機づけが有効であると考察した。

目的

アンケート調査を通して鍼灸専門学校生の「学習動機」、「学習方法」、「学習意欲」、「学習成績」の特性や傾向を明らかにし、その特性に応じた教育方法を検討し提示することを目的とする。特に今回は学習動機を中心に検討する。学習動機の特性を分類し、学習動機の特性に応じた学習・教育方法や、学習動機の移行を促す教育方法の検討を目的とする。

方法

本校と協力校全9校の鍼灸専門学校の1年~3年の学生941名に対し、アンケート調査を実施した。アンケートの内容は、学習動機・学習方法に関する論文から引用し、本校にてプレアンケートを実施した。因子分析を行い類似する質問項目を削除したのち、クロンバックα係数を用いてアンケートの信頼性の分析を行った。(学習動機:0.84、学習方法:0.83)アンケート項目は①学習動機30項目、②学習方法21項目、③学習意欲と成績16項目とした。本校と協力校に実施したアンケートの結果から、年齢や学年、また性別の学習動機・学習方法の分析を行った。分析手法は、判別分析、正準相関分析とした。

結果

学習動機を18歳から40歳まで年齢で区切って順に判別分析を行うと25歳未満(0.76)と25歳以上(0.78)で最も正判別率が高かった。性別の正判別率は、男性(0.63)と女性(0.62)、学年は1、2年生(0.62)と3年生(0.58)、1年生(0.57)と2、3年生(0.61)となった。学習方法を判別分析すると25歳未満(0.63)と25歳以上(0.65)となった。25歳未満と25歳以上の学習動機で、線形判別関数の係数の検定では、以下の項目の係数のP値が判別に大きくかかわっていた。学習動機の項目19「勉強しないと、頭の働きが衰えてしまうから」(0.004)、項目12「勉強が解ること自体が面白いから」(0.003)、項目27「勉強しないと、親や先生に悪いような気がするから」(0.001)。

考察

学習動機の判別分析の判別に大きくかかわっていた項目より、25歳未満の学生の学習動機には外発的動機付けが有効であり、25歳以上の学生には内発的動機付けが有効であると考察した。
心理学的な考え方で、外発的動機付けは、行動の要因が評価・賞罰・強制などの人為的な考えというものに対し、内発的動機付けは、学生の心理面に湧き起こった興味・関心や意欲によるものであるという考え方である。一般的には、外発的動機づけの効果は一時的であり人格的成長に必ずしも繋がらないという見解もあるが、外発的動機付けによって行動しているうちに、次第に内発的動機付けへと変化していくこともあると言われている。25歳未満の学生が、様々な社会経験をするうちに、一部の生徒が外発的動機付けに頼っていた心理的要素が内発的動機付けに徐々に変化していくと考えられる。

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