大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

Exploration of Improvements to Patient Release summaries for Health Information Managers

医療秘書・情報学科

井本朱音 岩佐咲也子 加藤珠世 駒谷なな子 五明彩香 西岡唯 馬場亜美 森川由貴 吉川沙恵

要約

電子化された医療情報が分析・活用される時代となり医療情報を適切に管理することの重要性が増している。適切な情報管理を行っている病院には保険点数がつくようになった。これらの保険点数には、共通して患者の退院サマリーを作成しなければならないという共通点がある。そこで今回、退院サマリー作成の質向上を目的として調査を行った。その結果退院サマリーの作成には、多くの症例を読み込むことや、読み手側のことを考え必要な情報を漏れなく収集する力、わかりやすく簡潔にまとめる力が必要なことが判明した。

目的

電子化された医療情報が分析・活用される時代となり、医療情報を適切に管理することの重要性が増している。適切な情報管理を行っている病院には保険点数がつくこととなった。これらの保険点数には、共通して患者の退院サマリーを作成しなければならないという共通点がある。退院サマリー作成の問題点として、これまで全国で統一された一定の形式が存在しないことがあげられる。医療連携などでサマリーが活用されるには、標準化された一定の形式で作成されることが望ましいと考えられる。2019年に日本医療情報学会・日本診療情報管理学会が共同して、標準化されたサマリー形式の発表が行われた。そこで今回、その標準化サマリーを用いて退院サマリー作成の質向上を目指すことを目的とした。

方法

日本医療情報学会・日本診療情報管理学会にて公表されている退院サマリー形式をもとに作成を行った。評価方法は同学会にて公表されている評価シートをもとに、現役の医療従事者である医療クラークと診療情報管理士の2名が評価を行った。
研究対象は大阪医療技術学園専門学校・診療情報管理士専攻に在籍する2年生9名である。研究期間は<2019年7月~9月>までの第1期と<2019年10月~11月>までの第2期に分けて研究を実施し、第1期と第2期の測定結果により比較を行った。

結果

第 1期の結果は「患者基本情報」の平均得点が69点。入院までの経過が56点、入院から退院までの経過が28点である。全体の平均点が49点という結果となった。
結果を踏まえた医療従事者2名より評価をいただいた。医療クラークからは特に手術前の既往歴・外来での受診経過が見落とされがちなので入念に行うことが指摘された。また、診療情報管理士からは数字に最も注意が必要であること、また実際に作成された退院サマリーの症例に数多く目を通すことを学んだ。その内容を踏まえて第2期のサマリー作成を行った。第2期での結果は、患者の基本情報が平均得点78点、入院までの経過情報が71点、入院から退院までの経過が55点となった。3項目すべてにおいて改善が見られた。平均点は49点から68点に向上している。

考察

退院サマリーの点検能力の向上には、多くの症例を読み込むことが効果的であると考える。診療内容を理解し、退院サマリーに落とし込むには、疾患ごとに注意点が異なるため、より一層病気の理解を深めることが必要である。また、読み手側のことを考え必要な情報を漏れなく収集し、わかりやすく簡潔にまとめる力が必要だと感じた。退院サマリーにおいて標準化された書式による作成・点検学習をすることができた。また、医療現場で実際に退院サマリーの作成・点検業務をしている医療クラーク、診療情報管理士の先生よりご指導をいただいたことが非常に貴重な学びとなった。医療現場で通用する退院サマリーの作成に向けて、より一層努力を重ねていきたい。

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