大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

Comparison of Text Memory using Different Display Media

東洋医療技術教員養成学科

稲本雄介 河野多美子

要約

本研究は、現在教育現場で進められているICT機器の液晶画面の文章記憶に関する影響を調べる目的で、従来の紙媒体との比較試験を行った。その結果20点満点のテストで平均約2点紙媒体のほうが点数が良いが、両介入の一致、結果と介入の関連度が低いという結果を得た。この結果から、今後、ICT機器が活用される教育現場において、従来の紙の資料と同様のものではなく、携帯端末や液晶画面に合った資料を作成する必要性が考えられる。

目的

現在、教育現場においてICT機器の活用が進められている。社会の省資源化・紙媒体の電子化の流れから、将来は紙媒体がほとんど使われなくなることが考えられる。もし、携帯端末や液晶画面によって文書記憶に影響を及ぼす場合、従来の紙媒体に合わせた教育資料の作り方を変える必要性がある。そこで、紙媒体とICT機器で使われている液晶画面の文章記憶に対する影響を明らかにし、未来の教育方法へ活かすことを目的とする。

方法

大阪医療技術学園専門学校の鍼灸師学科・鍼灸美容学科1年生の計40名を、各20名ずつの紙群・液晶群の2群に分けて実験を行った。
実験手順は、同じ内容の文書を紙群は紙の資料で、液晶群はPDFファイルにしたものを携帯端末で読み、その内容を問う20点満点のテストを行い、テストの点数・正解数から比較を行った。文章は中学校一年生の国語の教科書で採用されている「花曇りの向こう」著作:瀬尾まいこを使用した。10分間の読書時間で内容を記憶してもらい、その後、文章の内容を問う20問の記述式の試験を解答時間5分で行った。そのテストの結果から、各群の点数の平均値m標準偏差SD、そして2つの介入と正解割合の2×2分割法でカイ2乗テストのp値、Cohenのκ係数、関連測度φ係数を算出した。

結果

平均点は、紙群13.40±3.51・液晶群11.65±3.52であり、約2点の得点差がみられた。2×2分割法の解析ではp0.013、κ0.09、φ0.09であった。

考察

2つの介入は20点満点のテストで約2点の平均値の差があり、紙群のほうが良い点数となった。カイ2乗テストのp値はp0.05となり、介入と正解割合の間に有意差が見られた。しかし、Cohenのκ係数の値から正解数の一致は低く、φ係数の値から正解割合と介入の間の関連は低い、という結果が得られた。
今回の試験では、液晶群は携帯端末を使用して文章を読んでもらったが、文章が複数ページに渡るものであったために、違うページを同時に見るなどといった動作がしづらく、それが点数に影響を及ぼした可能性が考えられる。時代の流れからすると、紙媒体は使用されなくなることが考えられるため、今後は紙媒体と同じような形ではなく、携帯端末や液晶画面に合った資料作りが求められるのではないだろうか。

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