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卒業研究

~クエン酸、ビタミンA、ビタミンE について~

Comparison of Quantities of Vitamin C (citric acid), Vitamin A, and Vitamin E in Different Plant Species of Plum

薬業科

徳井七海 延原さくら 廣島佑希 松本麻尋

要約

梅干しには疲労回復、食欲増進、血流改善、殺菌除菌、アンチエイジング等の効果があるとされている。そして、これらの効果を発揮しているのは脂溶性ビタミン類やクエン酸であるとされている。そこで、入手が容易な南高梅、白加賀梅、小梅のそれぞれのビタミンA、ビタミンE、クエン酸含量を測定し比較し、前述の効果を効率よく摂取できるのはどの品種であるかを調べた。ビタミンA、E については高速液体クロマトグラフィー、クエン酸については中和滴定で比較した結果、クエン酸量が高く、疲労回復を求める場合には小梅と白加賀梅、食欲増進と殺菌除菌を求める場合には白加賀梅、血流改善とアンチエイジングを求める場合には小梅を摂取すると効率が良いという結論に至った。

目的

古来梅干しは、日本の食卓に欠かせない副食として今世まで受け継がれてきた。日本人の技や工夫が盛り込まれた伝統的な保存食品であり、疲労回復効果・食欲増進・血流改善・殺菌除菌効果・アンチエイジングという効果があると知られているが、それはクエン酸・ビタミンが豊富に含まれているからである。食用の梅の品種は数百種類あり、梅干しの他梅酒、梅漬け、梅ジュースなど様々であるが、圧倒的に梅干しとしての消費が大部分である。そこで本研究では品種の異なる3 種の梅(南高梅、白加賀梅、小梅)のビタミンA とビタミンE、クエン酸含有量を測定し、考察することを目的とした。

方法

クエン酸はすりつぶしたそれぞれの梅を蒸留水に混合、ろ液を0.1MNaOH、指示薬フェノールフタレイン溶液で中和滴定を行った。NaOH 滴下3 回測定の平均値からクエン酸の含有量を求めた。ビタミンA、ビタミンE はすりつぶしたそれぞれの梅をエタノールに混合し、タンパク質を除去して、ろ液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて含有量を測定した。HPLC のシステムは島津製作所製LC10A、カラムはInertsil ODS-2(5 ㎛、6mm×150mm、ガスクロ工業製)を使用し、移動相はメタノール/水88:22、流速は1.0ml/分に設定し、反応温度40℃、波長325nm の条件にて3 種の梅について3 回連続測定を行った。

結果

中和滴定の結果からクエン酸含有量は多い順に白加賀梅、南高梅、小梅であった。ビタミンA含有量はHPLC での測定の結果から小梅、白加賀梅、南高梅の順に含有量が多かった。ビタミンE 含量はHPLC 測定の結果から小梅、南高梅、白加賀梅の順で含量が高いという結果であった。

考察

クエン酸は疲労回復効果が期待される成分であることから、この効果を期待する場合は小梅と白加賀梅を、血流改善及びアンチエイジング効果を期待する場合は小梅を摂取することが勧められる。ただし梅干しにはクエン酸、ビタミンA とビタミンE 以外にも様々な成分がありそれぞれに効能があるとされている。また産地や製造方法によっても成分含有量に違いがある。今後、産地や製造方法別でもクエン酸、ビタミンA とビタミンE 以外の成分を分析することで梅干しの効能を考察することが望まれる。

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