大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

~鍼とチョコレート(カカオ)との比較~

The Effects of Acupuncture on Internal Coldness Comparisons between acupuncture and chocolate(cocoa)

鍼灸美容学科

浅野麻耶 梅川愛梨 川口寧々 河島遥花 阪本弥夕 橘薗咲 鄭令子 戸越亜美

要約

鍼施術が血管を拡張し血流を改善する効果と、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの血管拡張と血流改善の効果を併用することで、冷えの改善に更なる効果が得られるのではないかと考え実験を行った。方法は、被験者を鍼施術のみ、鍼施術とチョコレート摂取の併用、チョコレート摂取のみの3 群に分け、介入効果を検証した。研究期間は4 週間とした。研究を開始する前と研究終了日の体表温度を5 ヶ所計測し比較したところ、チョコレート摂取のみの群では腹部のみに大幅な温度上昇がみられた。鍼施術とチョコ摂取併用群は鍼施術のみよりも腹部・末梢ともに温度上昇がみられ、鍼施術とチョコレート摂取の併用により血流改善、体温上昇にさらなる効果が得られ、冷えの改善に期待できると考えられる。

目的

「冷え」とは、手足に行く細い血管の血流が悪くなり、手足や体の表面の温度が下がって冷たく感じる状態のことであり、日本人の約6 割が「冷え」に悩んでいる。鍼施術により期待される血管が拡張し血流を改善する効果と、チョコレートに含まれるカカオポリフェノール摂取により期待される血管拡張と血流改善の効果を併用することで、冷えの改善に更なる効果が得られるのではないかと考え実験を行った。

方法

被検者9名をA群(鍼施術のみ)・B群(鍼施術とチョコレート摂取の併用)・C群(チョコレート摂取のみ)の3群にランダムに振り分ける。研究期間は4週間に設定し、各群共に体表温度を1週間に1回測定する。測定部位は左右手首(太淵穴)・腹部(臍)・左右足首(太渓穴)の5ヶ所とする。鍼施術は、体表温度を5ヶ所測定後、冷えに効果があるとされている三陰交穴・合谷穴・足三里穴の左右6ヶ所にセイリン社製40㎜18号鍼を使って刺入し、10分置鍼した。抜鍼後、施術前と同様に体表温度を5ヶ所測定し、5分間安静後もう一度体表温度を5ヶ所測定した。チョコレートの摂取方法は、毎食後に1枚、朝と昼・昼と夜の食間に各1枚の計5枚(25g)の摂取を4週間継続してもらった。チョコレートはカカオ72%含有のものを使用した。

結果

各群とも研究開始前の体表温度(各部位)と研究最終日の施術後の体表温度(各部位)を比較した。A群は若干ながら全ての部位に体表温度の上昇がみられた。B群も全ての部位に体表温度の上昇がみられた。A群と比べると、B群でより体表温度の上昇がみられた。C群は腹部のみに大幅な体表温度の上昇がみられた。

考察

A群の結果から鍼施術は体の中心だけでなく、末梢まで体温上昇の効果があることが示唆された。C群の結果からチョコレートに含まれているカカオポリフェノールやカカオプロテインには、血管拡張・血流改善以外に内臓の働きを良くする効果があることが推測され、その効果から特に腹部に体表温度の上昇に影響を及ぼしたと考える。これらの結果から、鍼施術とチョコレートの定期摂取を併用することで、更なる体温上昇が期待でき、ひいては冷えの改善に繋がるのではないかと考えられる。

鍼灸美容学科ページを見る

 
 

各学科についてもっと詳しく知りたい方はこちら!

資料請求

オープンキャンパス

〒530-0044 大阪市北区東天満2-1-30
tel.06-6354-2501 fax.06-6358-7945

CONTACT

0120-78-2501

0120-78-2501

大阪医療技術学園専門学校

大阪医療技術学園専門学校© All rights reserved.

bot bot