卒業研究

Influence of background music and conversation on emotions and concentration

医療心理科

坂下翼 正埜百合子 下辻ありさ 武富晶太郎 出口佑之助 中川絢理 永井栞里 西虹香 西山侑里 藤本愛梨

要約

BGMのある環境やカフェテリアのような他人の私語がある環境で勉強する人がいる。BGMのテンポの違いが、作業効率に直接影響を与えるのではなく、感情面の変化が原因で、作業効率に影響していると仮説を立て検証する。さらにカフェテリアのような他人の私語がある環境を利用する人は公的自己意識が高く、私語のある環境での集中力と作業効率に影響を与えていると仮説を立て検証する。その結果、BGM有ではBGM無よりもポジティブ感情が増加し、倦怠感が減少した。集中力を測るブルドン末梢検査では、公的自己意識群の私語ありとなしで有意差があった。結果から、BGMの場合作業効率が高くなり私語は集中力に影響を与え作業効率には影響を与えないことが分かった。

目的

学習する場としてBGMのある環境やカフェテリアのような他人の私語がある環境を利用する人がいる。他人の私語やBGMを単なる雑音として捉えるのではなく、作業効率をあげるために利用している人もいる。阿部ら(2010)によると、単純作業では、BGMによるテンポの違いによって作業効率が高くなるという。またBGMは作業だけでなく、感情面にも影響することは明らかである。そこでBGMのテンポの違いが、作業効率に直接影響を与えるのではなく、感情面の変化が原因で、作業効率に影響していると仮説を立て検証する。さらにカフェテリアのような他人の私語がある環境を利用する人は公的自己意識が高い傾向にある。公的自己意識の高さが私語のある環境での集中力と作業効率に影響を与えていると仮説を立て検証する。

方法

第1研究では本校医療心理科1年、2年、薬業科1年計96人を対象とした。最初に感情を測るアンケートを実施し、BGM無しで漢字テストを行った後、2回目の感情を測るアンケートを行った。5分間の休憩の後、「ロッシーニの主題による変奏曲」をBPM140に調節したものをスピーカーから流し、漢字テストを行い、3回目の感情を測るアンケートを行った。
第2研究では本校医療心理科1年、2年計60人を対象とした。実験では自己意識尺度を実施し、公的自己意識群と私的自己意識群に分けた。課題として、一般教養問題30問と集中力を測るブルドン抹消検査を行った。後日、スピーカーから私語を含む環境音を流し、同課題を行った。

結果

第1研究では漢字テストの結果がBGM有はBGM無よりも、回答数の平均が38.9問から45.3問に増加し、有意差が認められた。感情のアンケートでは、BGM有ではBGM無より、活動的快の項目が25.4%から34.6%に増加し、倦怠の項目が33.8%から27.3%に減少した。
第2研究では集中力を測定するブルドン抹消検査において公的自己意識群の私語ありの平均時間が20.3秒、私語なしの平均時間が22.0秒で1.7秒の差があり有意差が認められた。対して、私的自己意識群の私語ありの平均時間は18.6秒、私語なしが19.4秒で0.8秒の差があり、有意差が認められた。集中力において私的自己意識群に比べて公的自己意識群が私語の有意差が認められた。一般教養問題30問においては、私的自己意識群に有意差が認められたが、公的自己意識群に有意差が認められなかった。

考察

内藤(2006)によると、シンプルでアップテンポなBGMは癒し効果とポジティブ感情が生まれるとされている。この効果が感情面に影響を与えポジティブ感情である活動的快の項目が増加し、倦怠の項目が減少したと考えられる。また、回答数の増加は、BGMがポジティブ感情の活動的快に影響を与えたことで、活動的快が高い状態で勉強に取り組む事ができたと考えた。公的自己意識における一般教養問題30問の平均得点には、有意差が見られなかったが、集中力に有意差が認められたことから、私語は集中力に影響を与えるが、作業効率には影響を与えないと考えた。

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