大阪医療技術学園専門学校 | 医療・福祉・心理の専門学校

卒業研究

The Potential of AI Predictive Analysis in the Medical Support Field

医療秘書・情報学科

酒見宥輝 内藤さくら 濱元美来 別府莉奈 宮里美朱

目的

医療分野において労働人口減少をAIによってカバーするべく、政府は「医療DX令和ビジョン2030」を打ち出し、国が率先して医療DXの推進を進めている。医療DXを推進するため、国はAIモデル病院を設置している。慶應義塾大学病院は政府が推進するAIプロジェクトに採択された病院としてAIホスピタルと呼ばれ、業務のIT化・AI化を推進している。本病院の副院長は、AIホスピタルの今後の課題をAIによる未来予測だと述べている。そこで私たちはAIを活用した医療予測について検証を行うこととした。検証対象を「来院患者数」とし、厚生労働省が公表している来院患者数データを基に未来予測を立てることを目的とする。

方法

AIに学習させる為のデータとして厚生労働省がホームページにて公開している全国医療機関から集計した外来患者数データを引用し、実際の数値とAI予測数値との誤差を求める。予測に用いるデータ対象は次の3点である。<1:一般病院と精神病院を合わせた外来患者数 2:一般病院のみの外来患者数 3:精神病院のみの外来患者数>

1999年~2017年までの18年間のデータを分析対象データとし、2018年~2022年までの5年間のデータを予測値とする。予測値となる2018年~2022年までのデータは厚生労働省ホームページに既に公表されているが、検証を行う際にはデータを未入力状態のブランクとして予測を行い、AIで予測された数値と、実際の数値との誤差を求める。また、機械分析による教師あり学習・回帰を予測手法とし、次の4つの手順によって検証を行う。<1:課題の定義 2:データの準備 3:予測モデルの選定 4:予測モデルの検証・評価。>

結果

  1. 一般病院と精神病院を合わせた外来患者数・AIと実数との誤差
    2018:6.1% 2019年:11.2% 2020:9.5% 2021年:12.3% 2022年:12.9%
  2. 一般病院のみの外来患者数・AIと実数との誤差
    2018:2.4% 2019年:4.3% 2020:0.5% 2021年:5.2% 2022年:8.3%
  3. 精神病院のみの外来患者数・AIと実数との誤差
    2018:0.3% 2019年:0.8% 2020:3.8% 2021年:1.4% 2022年:1.8%

上記の結果から今回の検証によるAI予測精度はいずれも誤差が15%以内であった。

考察

未来予測は誤差が15%以内であれば精度が高いといわれており、今回の結果から医療分野において未来予測を活用する可能性は十分にあると考える。今回の結果を踏まえ、現役医師2名へのアンケート行い、次の2点について提言をいただくことができた。1:患者数の見込み予測はスタッフの配置や薬剤の準備などに活用することができるのではないか。2:患者のインフォームドコンセントやEBMの実践として活用の可能性がある。今回は来院患者数の検証のみであった為、治療に関する予測を今後の課題としたい。

参考文献

  1. 陣崎雅弘:IT/AIの医療への導入の課題とAIホスピタルプロジェクト,905-908,2020
  2. 加藤泰朗:AIで未来の病院はどう変わる?.日本看護協会機関誌,64-70,2021

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