卒業研究

~顔を隠すためにマスクをつけている人~

Proposal for a Self-Esteem Enpowerment Program (SEEP)

医療心理科

阿部美友 大橋歩実 吉田穂乃花

目的

2023年3月からマスク着用が個人の判断となったが、現在もマスクを着用している人を多く見かける。我々は感染予防以外でマスクを着用している人がいるのではないかと考えた。例えば、顔を隠すため・他人からの目線が気になる等である。先行研究でも、自己肯定感の低さは、周囲の状況に身をゆだねる傾向に繋がる(宮城,2010)、自分を抑制しがちになり逃避反応が生じると考えられる(髙坂,2009)。これらの研究からマスク着用の原因の1つが、心理学的な自己肯定感の低さによるものではないかと仮説を立てた。本研究ではマスクを着用している人の中に一定数存在する自己肯定感が低い人の心理状態を調査し、解消するためのアプローチ方法を提案する。

方法

自ら作成したマスクの着用状況と着用理由の計6問、使用した尺度は自尊感情尺度(山本ら1982)、自意識尺度(菅原 1984)、自己肯定感意識尺度:自己受容と被評価意識・対人緊張(平石 1990)、他者意識尺度(辻 1993)の計38問である。対象は大阪医療技術学園専門学校の医療心理科56名、医療秘書・情報学科78名の計134名であった。調査時期は2023年9月であった。

結果

マスク着用状況は、つけている(着用群)33人、場面による77人、つけていない(非着用群)24人であった。着用理由は感染予防の他に「顔を隠したい」があり、非着用理由は「暑い」「着用義務がなくなった」「外した際にがっかりされたくない」があった。着用群は自尊感情尺度と自己受容は点数が低く、自意識尺度と被評価意識・対人緊張は点数が高かった。外的他者意識尺度に差はみられなかった。以上のことから、着用群が非着用群よりも自己肯定感が低いことがわかった。

考察

自己肯定感を低くする理由として、認知心理学による知覚の補完があげられる。マスク着用により顔が隠れたため、マスクの下にある顔の黄金比を勝手に作り出しマスクを外した際に印象が異なる機会が増えた。このことから、他者も同じことを考えているのではないかと想像してしまい自己肯定感の低い人はマスクをつけ続けているのではないかと考えた。一方、外的他者意識のみ差が見られず全員の点数が高かった原因は、SNSの急激な発達により他者を身近に感じる機会が増えたことから、他者との比較を頻繁に起こすことで自らの外見も気にするようになったのではないかと考えられた。

アプローチ方法として、生物心理社会モデルに基づいたSelf-Esteem Empowerment Program(SEEP)を提案する。心理職として、生物面では多職種連携で生活習慣の改善を行い、心理面では自己理解を促す役割を果たし、社会面ではSSTによる成功体験の積み上げに焦点を当てた介入を考えた。

参考文献

  1. 河越麻佑ら:大学生の自己肯定感に及ぼす影響要因.日本家政学会誌66(5),36-47,2015
  2. Engel, G.L.:The need for a new medical model:A challenge for biomedicine. Science,196;129-136,1977

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